• 記事
  • 2020.09.25

D2Cの観点を、マーケティング施策に落としてみた結果

D2Cの観点を、マーケティング施策に落としてみた結果

D2Cの観点を、具体的に施策に落としてみました。熱い思いと、社会貢献の切り口で考えたときの事例です。D2Cについて考える際の参考になれば幸いです。

皆さんは、「D2C」と聞いて、
具体的な考え方やマーケティングへの活用方法がパッと思い浮かびますか?

私はWEBマーケティング携わって10年以上になりますが、
この「D2C」という言葉の解釈にしばらく迷いがありました。

ようやくその「迷い」が晴れてきたので、
現場目線で、D2Cに対する理解を深めるのに一役買えればと考えています。
最近私自身がしっくりきたポイントも踏まえ、
マーケティング施策の具体例を交えて書いていきます。

この記事を読んで、皆さんが
・D2Cのマーケティングを具体的にイメージ出来る
・D2Cの取り組み方についてイメージ出来る

このような助けになれば幸いです。

D2Cの成功エッセンス10カ条おさらい

『DtoC SUMMIT 2020で語られた、D2Cの成功エッセンス10カ条』を
読んでいただけましたでしょうか?

振り返ると、下記の要素10個がありました。

✓D2Cは、熱い思いがあるか?
✓お客様と共創しているか?
✓ストーリーがあるか?(共感を売っているか?)
✓誠実で信頼の置けるブランドになっているか?
✓スピードを変え柔軟性を持っているか?
✓事業モデルが社会貢献になっているか?
✓シンプルなサービス設計になっているか?
✓グローバルを視野に入れているか?
✓行動データをマーケティングに活かしているか?

私はこれを、コンセプトやビジョンがしっかりしているか、そして速いスピードで時代の変化・ニーズに対応していけるか、あらゆる情報を駆使して進化していけるか、というような視点を入れたマーケティングが必要だと理解しました。

D2Cの概念を実際にマーケティングに活かしてみた

実際私もマーケティングを考えるにあたり、D2Cつまり未来のマーケティングがどうあるべきか、を視点として入れてみました。

そのうち2つ、事例を紹介します。

・開発ストーリーを入れた
・顧客に提供する価値に、「社会貢献」の視点を入れた
以下、実際にそれぞれについてアクションに落とし込んで実行してみました。
(このアクションが皆さんの参考になれば幸いです。)

LPに開発ストーリーを入れたことでCVRが1.1倍に

まず、熱い思いがあるか?という視点を組み込んでみました。

具体的には、「熱い思い」を

「その商品が生まれた背景やストーリーをユーザーに伝えること」に変換してコンテンツを作りました。

なぜなら、何かしら商品が生まれるには、その背景や理由、苦労話、開発者の熱意があるはずだからです。

その「熱意」をコンテンツとして顧客に伝えることで、ストーリーを感じて商品に対する「購入の後押し」につながるのではないか、と仮説を立て取り組みました。

具体的には、

・その商品がどういうきっかけで生まれたか
・こだわりポイントはどういうところか
・開発過程で苦労したポイントや、誰のどんな思いが込められているか

上記の視点でランディングページにコンテンツを追加しました。

特に、
「お客様との会話から要望を汲み取って商品を作成したこと」
「創意工夫を苦心して行い、
顧客の生活が豊かで便利になるよう願い、思いを込めて作ったこと」

を記載し、ぎゅっと短くまとめて入れ込みました。

1度目のテストでは、1スクロール分の短いコンテンツを記載したところ
あまり良い結果が出なかったのですが、

・ボリュームを増やすため2スクロール分のコンテンツにする
・さらにページに分割して入れ込む
・写真や言葉を短く伝わりやすいように修正する

などの改良を加えた上で再度テストを実施し検証したところ、最終的に、LP経由のCVRは約1.1倍良い結果となりました。

他のコンテンツにも、背景やストーリーを載せることで良い影響を与えたようで、ページの閲覧時間も長くなっていました。

商品をストーリーにのせて伝えること、思いを言語化して消費者にしっかり伝えること、これらがいかに重要か、そして結果につながるかを体感した施策となりました。

顧客に提供する価値に、「社会貢献」の視点を入れる

事業モデルが社会貢献になっているか?という視点で考えた時に、
「社会貢献に対して、積極的な姿勢や行動を企業が取っているか」と変換してマーケティング企画を検討しています。

その理由として、ある企業の「社会貢献」に関わる活動が、
消費者にとても支持されていたという事例があったからです。

私が関わった事例ではないのですが、
具体的には、被災地やコロナの影響が大きいところに商品を無料で配布しました。

その際、企業が日頃の感謝や、
顧客に対するコメントを書いた手紙を添えて商品を配布したところ
Twitterで大きな反響を呼び、あるユーザーのツイートが
3,000近くリツイートされ、話題になりました。

そのツイートに対するコメントも

「企業に対する好感イメージが急上昇した」
「温かい心遣いが嬉しく感動した」
「商品もだが心遣いが嬉しい」
「自分の会社もこういう風になってほしい」
などの称賛に値する内容が数多く寄せられ、
結果としてユーザーのブランドに対する価値が高まっていました。

企業の社会貢献につながる行動が、
顧客がブランドを選んでいる安心感や、 企業とファンとの関係性を高めることにつながる、ということですね。

別の施策で、まだ検討段階ではありますが、
過去1度でも商品を購入したことのある会員に
サイトで利用できるポイントを付与し、

「企業として何か力になれることはないか」

というメッセージを伝えるポイントプレゼント企画も考えています。
このようにD2Cの観点で、今までで当たり前のように考えていたことに
少し視点を変えてマーケティング活動を行うことで、結果も出やすくなり、
新たなチャレンジの枠組みが広がりました。

D2Cの観点は、あくまで「視点」なので、
これをどう戦略・戦術に具体的に落とし込むか、
そして実行するかがマーケッターとしての腕の見せどころかなと感じています。

まとめ D2Cの観点を応用すると視点が広がる

いかがでしたでしょうか?

D2Cの観点を応用してマーケティングを行うことで、
視点が広がり、様々なアプローチが可能になります。

結果として売上アップにもつながります。
ただ商品を紹介して販売するだけではなく、その熱意や思い、社会貢献の視点も重要です。

ぜひ改めて、
「自分のマーケティングに活かすべきポイントはないか」
「自分にとってのD2Cの定義はなにか」
を考えてみてはいかがでしょうか?

ライタープロフィール